交通事故で巨額の損害賠償金を獲得できた例【交通事故】

【事案の概要】

加害者は,仕事で大型貨物自動車(積載量13トン。「加害車両」という。)を運行国道を進行中,前方の左端に被害者が仕事で被害車両(普通乗用自動車)を停車していたので,その右側方を対向車線に進出して通行しようとした。その際,先行していた大型貨物自動車のために前方の見通しが悪く,対向車両の有無及び安全を確認できなかったにもかかわらず,対向車線に進出することを差し控えるべき業務上の注意義務を怠り,先行する大型貨物自動車が対向車線に進出し進行したことから,対向車両が来ていないものと軽信し,対向車両の有無及び安全を確認できないまま漫然と時速約80キロメートル(法定速度50キロメートル)に加速して対向車線に進出した。そうしたところ,前方に対向車両を発見したために対向車線に進出することをやめ急ブレーキをかけたが間に合わず,加害車両の前部を被害車両後部に衝突させ,よって被害者に回復不可能の胸椎脱臼骨折,及び胸椎損傷などによる完全対麻痺の傷害を負わせた(以下「本件事故」という。)。

巨額の賠償金を獲得

加害者に対しては,前方安全確認義務違反に基づく損害賠償請求権が成立し,加害者は業務中であったことから,事業の執行につき第三者に加えた損害に該当し,加害者の使用者である会社に対して,使用者責任に基づく損害賠償請求権が成立する。

また,被害者は業務中に事故に遭ったため,労働者災害補償保険法に基づき,療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付の労災請求をした。

損害賠償額の中で一番大きいのは逸失利益の損害であり,被害者は交通事故により胸椎損傷の下半身麻痺の後遺症障害を負い労働能力のほほ前部を喪失した。その結果,将来得られたはずの収入を得ることができなくなったことの損害,すなわち逸失利益の損害賠償請求が可能となる。逸失利益の算定にあたっては,被害者の直前の年収や同種事業の賃金センサス(職種,性別,年齢,学歴別の賃金統計)を証拠資料として提出することにより立証していくが,本件被害者の場合この立証が成功し2億円超の逸失利益が認められた。

このほかにも,本件事故により被害者は一生車いす生活を余儀なくされることにより,以後親族による介護が不可避となり,民間に介護を依頼した場合の費用相当額につき損害額を立証し,また,被害者の部屋は自宅2階にあったが,車いす生活になったことから自宅にエレベーターを設置する必要あり,この設置費用として数百万円の損害額を立証し,その他,後遺症障害に伴う医療費等の損害についても細かく立証をした。

これらの立証を尽くしたことにより,本件事故による損害額としては総額2億数千間年と巨額に上り,これに事故後この損害賠償額支払い日までの遅延損害金として年5%の加算がなされ,遅延損害金だけでも8000万円超となった。

遅延損害金も合わせた損害賠償額としては3億円超となり,当時の交通事故事例では最高額の部類の損害賠償額を確保することができた事例であった。

なお,加害者は保険に加入していたことから,上記損害賠償請求は,保険会社に対する請求として保険会社に対する訴えを提起して獲得した。

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