立替社宅費用との相殺を理由とする賃金不払い事件

事案
入社の際、早朝出勤シフトの場合に始発電車でも間に合わないので、社宅を手配、入居。2年勤務継続を条件に社宅の住居費(敷金、礼金、仲介手数料など)を会社が立替え、2年以内に退職した場合には労働者が返却するとの合意はあった。半年後、労働条件極端に悪化した際、この新たな条件で勤務を継続するか退社するか求められたので、それなら退社する旨伝えると、立替住居費について最後の1月分給料と相殺したうえで残額を請求された事案。

選択した手続き
会社側代理人との直接交渉。

証拠など
立替住居費の返還請求に関して、違約金の定めや損害賠償の予定を禁止する労働基準法16条に違反。研修費用や留学費用返還の争いに類似。そもそも、社宅利用は、始発のない時間から早朝のシフトに入ってほしいとの会社の要望に応じてやむなく選択したものであり、そもそも社宅当の住居費用は会社が全額負担すべきもの。
そのうえで、立替費用の返還請求と賃金の一方的な相殺は賃金全額払原則に反する(労基法24条1項)。

解決
会社は住居費負担の主張(立替費用の返還請求)につき撤回。
本人は退職希望だった為、一定の解決金で合意、解決。

銀座通り法律事務所では、個人・法人を問わず法律相談を受け付けています。

初めての方もお気軽にお問い合わせ下さい。