知的障害者のリーダー事故死事件(Aサプライ(知的障害者死亡事故)事件)

(東京地裁八王子支部H14.12.10判決)
(ケーススタディ障がいと人権p49/労働判例870号)

事案
知的障害者数人を雇用している会社において、知的障害者であったAさんは現場のリーダーとして精力的に働いていた。そうしたところ、機械の不具合があり点検のために大型乾燥機械の中にAさんが入ったときに、機械が運転を再開したためにAさんは機会に巻き込まれて死亡してしまったため、業務に起因する事故であるとして、会社の責任を追及して逸失利益や慰謝料などの損害賠償を求めた事案。

選択した手続き
裁判

判決の要旨
使用者は労働者が安全に労務提供できるように人的・物的労働環境の整備義務を負っている。知的障害者が雇用されている本件においては、本件事故の発生状況や彼が機械操作に慣れていないことや予期せぬトラブルが生じた場合にこれに臨機に応じて対処することが困難であったことなど、彼の能力を上司らは認識していたことなども考慮して、使用者の安全配慮義務の懈怠について考慮すべきとした。すなわち、上司は、労働者本人が知的障害者であることを知っていたのであるから、それに応じた安全教育などを適切に行うべきだったなどと判断し、機械操作の説明や運転において配慮を欠いたと認めた。
本件事故の態様や彼のまじめな勤務態度などから賃金センサスで逸失利益を算出したほか、慰謝料2600万円を認めた。

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