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銀座通り法律事務所
 特集 ― 相続・遺言2「病室での緊急な遺言書作成と弁護士の役割」

【入院中の方からの遺言書作成依頼】

 病院で入院中の方から遺言書の作成を依頼されることがしばしばあります。ご本人は入院されているので、多くの場合家族その他の近親者の方からご本人の意向が連絡されます。連絡を受け、ご本人の意向を確かめます。入院中に遺言書を作成するのはご本人の病状が重篤で、生命が危ぶまれるときですので、ご本人の意向を確かめると一刻も早く遺言書を作成するように努めています。

【遺言書の内容】

 遺言書の内容はご本人と話しあい、ご本人の意向に忠実に作成します。しかし、ご本人は病気のため眠っていることが多く、多くを語ることが困難なことが少なくありません。また遺言の中味も一時の思い込みに強く影響を受けていることが少なくありません。私はご本人の意向に反しない範囲で看病に来ている近親者の方の考えもそれとなく伺うように努めています。遺言書の作成が必要な時は、法定相続の内容のままの相続ではなく、これを修正した相続をさせたいという時です。作成した遺言書が後日法定相続人の方から恨まれることになれば、ご本人にとっても不幸なことです。法定相続人が“なるほど”と思ってもらえるような遺言書の作成を心がけるようにしています。ただし、これは理想論であり基本はあくまでもご本人の意向です。

【自筆証書遺言と公正証書遺言】

 遺言書には、ご本人が全文自分で書く自筆証書遺言と公証人が作成する公正証書遺言があります。自筆証書遺言は遺言文全文と、日付、氏名をすべてご本人が書き、氏名の下に捺印が必要です。ワープロで打った文書に署名するだけでは有効な遺言書ではありません。ご本人に体力があれば万一のことを考え、とりあえず自筆証書遺言を作成していただきます。しかしご本人が食事もとれずベッドで点滴を受けて寝たきりということが少なくありません。自筆証書遺言の作成ができない時は公正証書遺言の作成を急ぎます。のみならず遺言書が公正に作成されたことを明らかにする上でも公正証書遺言を作成することを心掛けています。公正証書遺言の作成には実印の他に印鑑証明書、戸籍謄本、不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書等が必要です。ただし、揃えるのに時間がかかるようでしたら手元にある資料をもとに公証人の方に作成してもらいます。公証人の方に病院に来ていただくことになるので日程調整が必要になります。証人2名が必要ですが、銀座通り法律事務所では、その時は事務所の誰かに立会い証人になってもらいます。公正証書遺言の作成にあたってはご本人の他に計4人が立ち会うことになりますので、あらかじめナースセンターに連絡をし、診療時間や病室の調整をお願いしています。

【遺言書作成に弁護士として関わって思ったこと】

 遺言はご本人が長年培ってきた財産を一定の人又は団体(寄付の場合)に託すことであり、ご本人の人生のまさに総決算です。遺言書の作成に関わることは弁護士としてもご本人の人生と最終コーナーで真正面から向き合うことになり、その重責をひしひしと感じますとともに、とても光栄なことだと思います。ご本人が元気な時とお亡くなりになったあとでは、受け取る側の対応も異なることが少なくありません。遺言がご本人の歩んできた人生にふさわしく、輝くものであってほしいと願っています。

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